USBポートが足りない人へ。ハブとドッキングステーション、4タイプの選び方を整理する
ノートPCを使っていて、マウスを挿し、USBメモリを挿し、外付けHDDも挿したくなる。
気づくと、ポートはもう残っていない。
かといって、いちいち抜き差しするのも、それはそれでめんどくさい。
今回はそんな「USBポートが足りない」という悩みに絞って、増設方法を調べてみた。
似た悩みに「コンセント(電源タップ)が足りない」というものもあるが、これは電源そのものの話。今回のUSBポートの話とは分けて考える。
見ていったのは仕組みの違う4タイプ。調べてみると、こちらも「とりあえず売れているものを買う」よりも、自分が何をつなぎたいかを先に考えた方が選びやすそうだった。
まず、自分が何をつなぎたいか考えてみる
今回調べた4タイプは、それぞれ得意なことが違う。
なので商品を一つずつ見る前に、何をつなぎたいのかを考えておくと分かりやすい。
ポートの数さえ増えればいい。それだけなら、電源を別に用意する必要がないバスパワー式のUSBハブが候補になる。
外付けHDDのように電力を必要とする機器もつなぎたい。その場合はバスパワーだけでは心もとない。セルフパワー式のUSBハブという選択肢がある。
映像出力や充電も1本にまとめたい。持ち運びも考えているなら、USB-Cハブが候補になる。ただし、パソコン側がその映像出力方式に対応しているかどうかが分かれ目になる。
有線LANや複数モニターも含めて、据え置きで環境を作りたい。その場合はドッキングステーションが候補になる。ただし、モニターの表示が途切れる場合の対処法を、メーカーがサポート情報で案内している。
では、なぜこの分け方になったのか。
実際に調べた4タイプを順番に見ていく。
① 電源不要で手軽な「バスパワー式USBハブ」
パソコンのUSBポートから電力をもらって動くのが、バスパワー式のUSBハブだ。
代表的なのは、薄型で軽量な4ポート程度のハブ。電源コードが不要で、コンパクトに持ち運べる。
マウスやキーボード、USBメモリなど、消費電力の小さい機器を増やす用途に向いている。
一方で、外付けHDDのように消費電力の大きい機器では、バスパワーの給電力だけでは認識されないことがある。これは一般的な情報源でも指摘されている。
給電力が足りているかどうかで結果が変わる、というところまでは分かったが、個々の製品でどこまで大丈夫かは、今回の調査だけでは判断できなかった。
② 消費電力の大きい機器にも対応できる「セルフパワー式USBハブ」
ACアダプタから別途電源を取るのが、セルフパワー式のUSBハブ。
代表的なのは、電源付きで7ポート前後を増設できる製品だ。ポートごとに電源スイッチが付いているものもある。
外付けHDDなど、消費電力の大きい機器をつなぎたい人に向いている。今回確認した製品の販売ページにも、消費電力の大きなHDDなどでも安定して給電できる旨が記載されていた。
③ 映像出力や充電もまとめる「USB-Cハブ」
USB-Cポート1つから、HDMI映像出力・データ転送・SDカードスロットなどをまとめて増やせるのがUSB-Cハブだ。ハブを経由してノートPCへ充電できるものも多い。
ノートPC1台で作業しつつ、外部モニターにもつなぎたい人に向いている。
ただし、今回確認した製品のメーカー側の説明では、映像出力を使うにはパソコン側のUSB-CポートがDP Alt Mode(映像出力に対応した規格)に対応している必要があると明記されていた。メーカー仕様上、接続する機器側が対応していない場合は映像出力できないため、購入前に対応状況を確認する必要がある。
④ 有線LANや複数モニターまで含める「ドッキングステーション」
USB-Cハブをさらに拡張したような位置づけの製品で、製品によっては、複数モニターへの出力(2〜3画面)や有線LAN、PCへの給電などをまとめられる。ドッキングステーションと呼ばれるタイプだ。
ノートPCを、まるでデスクトップパソコンのように使いたい人向けの選択肢になる。
メーカーのサポート情報(Dell・Plugableの一部の製品の例)では、ドッキングステーションに接続したモニターの表示が断続的に途切れる場合があるとして、ケーブルの接続状態の確認や、ドライバー・ファームウェアの更新などの対処が案内されている。
複数のモニターを据え置きでつなぎ続けたい人は、購入後もこうしたドライバーやファームウェアの更新が必要になることがある点を踏まえておくとよさそうだ。
なお、Thunderbolt対応や3画面以上の本格的な環境については、機種ごとの違いが大きく、今回は踏み込んで比較していない。
じゃあ、結局どれを見ればいい?
4タイプを調べた結果を、もう一度まとめる。
| つなぎたいもの | まず見てみるタイプ |
|---|---|
| マウス・USBメモリなど軽い機器 | バスパワー式USBハブ |
| 外付けHDDなど消費電力の大きい機器 | セルフパワー式USBハブ |
| 映像出力・充電もまとめたい(持ち運びも) | USB-Cハブ |
| 有線LAN・複数モニターも含めて据え置き | ドッキングステーション |
こうして見ると、ここでも「どの商品が一番いいか」を最初に決める必要はなさそうだ。
自分が何をつなぎたいのか、据え置きで使うのか持ち運ぶのか。
そこが決まれば、見るべきタイプはかなり絞れる。
調べても分からなかったこともある
今回確認できたのは、各製品の販売ページに記載された仕様と、独立した情報源・メーカーのサポート情報の範囲に限られる。
本格的な複数モニター環境(3画面以上やThunderbolt接続)については、機種ごとの詳細な比較まではできていない。
また、バスパワーのハブで外付けHDDのような消費電力の大きい機器がどこまで安定して認識されるかは、個々の製品差があり今回の調査だけでは判断できなかった。
分からないところまで、売るために「おすすめ」とは言わない。
これは今後もそうしたい。
ポート不足が減れば、それでいい
今回解決したかったのは、デスクをパソコン専用の作業台に作り替えることではない。
USBポートが足りなくて、機器を抜いたり挿したりする手間を減らしたいだけだ。
軽い機器を増やしたいのか。消費電力の大きい機器もつなぎたいのか。映像出力までまとめたいのか、複数モニターの据え置き環境まで考えているのか。
全部を覚える必要はない。自分に必要な条件さえ分かれば、見るべきタイプは自然と絞れる。